能登の復興のために

For the Reconstruction of Noto

能登の復興のために

能登の生産者を守りたい

この度の能登半島地震の影響により一時営業を停止いたしておりましたが、おかげさまで皆様のご支援のもと4月19日より営業を再開することができました。
この場を借りて、ご支援お心遣いに心より御礼申し上げます。
その一方で、残念ながら周辺地域の復興はまだ道半ばとなっております。特に、当館とお付き合いさせていただいております多くの生産者様が、深刻な被害に遭われてしまいました。
毎日仕入れを行っていた漁港は復旧の目途が立たない程の被害を受け、多くの漁船が津波により流失してしまいました。復興までは少なくとも約2年かかると見込まれております。
能登杜氏で有名な能登のお酒も、11軒ある能登全ての酒蔵が大きな被害を受けました。今年は残念ながら、能登での酒造りは叶わず、県内外の酒蔵の支援のもと委託醸造にて日本酒を販売されており、来年には皆様に能登の新酒をお楽しみいただけるよう復旧に励んでいらっしゃいます。
能登牛の生産者は断水停電や道路状況の悪化により餌の運搬もままならず、衰弱死する牛が出ており大きな損害が発生いたしました。
農家の皆さんは家の倒壊や海水の浸水により来年の再開が危ぶまれています。
輪島塗のお取引先もニュースで大きく報道されていた通り、建物が全焼してしまい肩を落とされておりました。

皆さん豊かな食材や、長く続く能登の伝統文化を守る【他に代えがたい一流の生産者様】で、このまま地震により失ってしまうのは大きな損失であると感じます。
いくつかのお取引先に連絡すると、「まだ先行きは見えないが時間がかかっても何とかまた再開したい」と話される方もいらっしゃいました。
この土地で旅館を営む私たちの使命は、その生産者の方々と県外のお客様をつなげ『お取引させていただいている100を超える生産者様が生産を始めた際に、彼らの素晴らしい生産品を、多くの皆様に能登にお越しいただきご利用いただくこと』ではないかという想いに至りました。
私どもの旅館の再開と共に、皆様が能登を訪れるきっかけに繋がるのだとしたら、皆様のお力を借りながら能登の生産者様と共に前に進む一心でございます。

能登の食材
能登の食材

能登の文化を
100年先までつなぐために

能登は震災前より消滅可能性都市といわれるほど過疎化が進んでおります。今回の地震により家を失った多くの方々がこれを機に能登を離れるという話が聞こえてくるようになりました。

政府・自治体によりインフラ等の整備を行う方針が決まり大変有難く感じております。しかしながら当事者として過度な公的資金の投入が日本の未来のために本当に良いことなのかという迷いもあります。
この先永続的に能登に人が住み続けるためには、産業を私たちの力で存続させることこそが不可欠であると感じております。

能登の産業は主に、農業漁業をはじめとする第1次産業、伝統工芸品をはじめとする第2次産業です。

震災により文化・産業の芽を潰さず、【過疎が進み自然が残された能登だからこそ育める素晴らしい恵み】を後世に残し、能登以外の方々に知っていただき、消費していただくことが旅館業を営む私たちの使命であると思います。

能登の復興はまだ道半ばです。皆様が旅行を楽しんでいただくためにはまだ時間を要すると思います。しかしながら、復興に向け歩み始めた生産者様もたくさんいらっしゃいます。
復興の始まった能登にお越しいただき『能登の自然を』、『豊かな食文化を』、『物作りのうまい能登の人たちの生産品を』お楽しみいただけましたら、きっと能登の復興もより早く進むものと思います。
是非皆様、能登へお越しくださいますようお願い申し上げます。

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